3Dモーショングラフィックスとプロダクトアニメーションの分野で活躍するHakan Acarel氏が、Sennheiserのプロジェクトを通じてシネマティックなライティングの手法を披露。HDR Light Studioを中心に、Cinema 4DやAfter Effectsといったツールを組み合わせたワークフローや、プロダクトアニメーションにおけるカスタムHDRマップの活用方法を詳しく解説します。

私はドイツ出身の3Dモーションデザイナー兼クリエイティブディレクター、Hakan Acarelです。製品アニメーションや映画・テレビのモーショングラフィックスを専門としており、Maxon認定プロフェッショナルおよびAdobe認定ビデオプロフェッショナルとして、ドイツやアメリカの主要メディアとともに活動しています。CADを活用したデジタルツインの作成から、タイトルシーケンスやショーパッケージのデザインまで、多岐にわたる業務を手掛けています。

シネマティックな体験を作り上げる

Sennheiser MD 421 Kompakt Microphoneプロジェクトでは、CADファイルから作業を開始しました。しかし、CADモデルにはしばしばPCBやワイヤーグリルのような要素が欠けているため、清書や補完作業が必要になります。このプロジェクトでは、冒頭のトランジションショットのために、MD421マイクの象徴的な形状をポリゴンモデリングで一から制作しました(詳細はBehanceで公開しています)。HDR Light Studioは、クライアントが求める高品質なビジュアルを実現するうえで不可欠なツールでした。

Cinema 4Dをメインの3Dアプリケーションとして使用し、Redshiftでプロダクトレンダリングを行い、Octaneでシネマティックなタイトルシーケンスを制作しました。After Effectsでは、リアクティブサウンドウェーブのようなエフェクトを追加して全体をまとめました。

ライティング(照明)がもたらす創造的なインパクト

優れたライティングは、凡庸な3Dモデルを見違えるほど良くする一方で、悪いライティングは優れたモデルすら台無しにします。ライティングが画像の雰囲気を作り、感情を伝えます。

HDR Light Studioに出会う以前はCinema 4Dの標準ツールを使用していました。しかし、HDR Light Studioを試してすぐに、そのプロフェッショナルで高品質な結果を得られるツールの優秀さに気付き、ライセンスを購入して以来愛用しています。

ワークフローの効率化とフォトリアリズムの追求

HDR Light Studioは、シンプルで効率的な操作性、豊富なプリセット、定期的なアップデート(例:Scrim Light)を兼ね備えており、デザイナーにとって欠かせないツールです。このツールは私のカスタムワークフローの中心となっており、特にLight Paint機能や、Cinema 4D内でライトをエリアライトにプロモートする機能を活用しています。

私はHDR画像とカメラに取り付けたエリアライトを組み合わせ、アニメーションの各ショットを構成しています。この手法により、ジンバルロックを回避しながら、滑らかなスピードランプを実現しつつ、一貫したライティングを保つことが可能です。このワークフローの詳細は、Behanceでご覧いただけます。

カスタムライティングマップと競争優位性

アニメーションの世界では、繰り返し作業が重要であり、各ショットを完璧に仕上げるには何度も修正を重ねる必要があります。このため、ライティングを迅速に適応・調整できる能力が非常に重要です。スティルレンダリング(静止画レンダリング)を主に行うアーティストとは異なり、私のようなアニメーターは、より速く完璧なアングルやライティングを見つける必要があります。この点で、HDR Light Studioはまさにゲームチェンジャーです。このツールは瞬時にフィードバックを提供してくれるため、ライティングを迅速にテストし調整することができ、効率を犠牲にせずにショットを作成できます。

HDR Light Studioは私のキャリア成功の中で重要な役割を果たしてきました。これまでに多くのクライアントが、他のアーティストと比べて私のライティングが際立っていると評価してくれました。その違いの大部分は、このツールを使った結果だと言えます。この細部へのこだわりが、アニメーションのフォトリアリズムと品質を高め、クライアントに常に特別なものを提供できる理由となっています。

「カスタムHDRライティングマップを作成する能力は特に価値があります。多くのアーティストが既成のHDR環境に頼る一方で、私は自分自身で独自のライティングを作成することで得られるコントロールとユニークさを好んでいます。カスタムマップは、各ショットに最適化された作業を保証するだけでなく、競争上の優位性をもたらしてくれます。標準的なHDRパックを使うだけでは、私のライティングを再現することはできません。」

新技術との融合とクリエイティブな可能性の拡大

私のワークフローにHoudiniを統合する中で、HDR Light StudioのカスタムHDRマップが、液体、煙、破片といったオーガニックシミュレーションをどのように強化してくれるかを探求することにワクワクしています。これらの強力なツールをシームレスに融合させることで、アニメーション制作における新たなクリエイティブな可能性が開かれるでしょう。

これから先も、HDR Light Studioは進化を続け、トレンドをリードしながら3Dライティングの未来に適応していくと確信しています。Scrim Lightのような革新的な機能は、このツールを動かす革新性をすでに示しています。次にどのような機能が登場するのか楽しみです。この堅実なロードマップと改善への取り組みにより、HDR Light Studioは、3Dライティングが新たな境界を切り開いていく中で、私のクリエイティブプロセスの重要な一部であり続けるでしょう。

最後に – 3Dライティングを高めるアドバイス

「HDR Light Studioを検討している3Dアーティストへのアドバイスは簡単です:迷わず手に入れてください。ライティングはすべてです。適切なライティングがあれば、凡庸な3Dシーンですら素晴らしいものに見えます。HDR Light Studioは完璧なライティングを簡単に実現するツールであり、私のキャリアにおいて大きな転機となりました。」
– Hakan Acarel

Hakan Acarel – 3Dモーションデザイナー兼クリエイティブディレクター

彼のYouTubeチャンネルでは、Cinema 4Dを使った完璧な3Dマイクロフォングリルの制作方法を紹介する素晴らしいトレーニングビデオをご覧いただけます。ぜひチャンネルを購読してください。また、HDR Light Studioを活用したライティングシーンの設定方法を詳しく紹介する新しいコンテンツも近日公開予定です。

Hakan氏の優れた作品についてさらに知りたい方は、www.acarel.com またはBehanceのポートフォリオをご覧ください。

 

HDR Light Studio 8を無料でお試しください

HDR Light Studio 8を時間制限なしで無料でお試しいただけます。ライセンス不要の「デモ」モードで、以下の制限付きでHDRライティングをお試し頂けます。

・プロジェクトの保存と埋め込みはできません。
・HDRIコンテンツのレンダリングはできません。
・コネクションで共有されるHDRIコンテンツには、赤いウォーターマークが表示されます。

HDR Light Studio を無料でお試しください

※HDR Light Studio Demoモード(無償版)のインストール方法については、以下動画をご参考ください。

HDR Light Studio Demoモード(無償版)のインストール方法

HDR Light Studioをデモモードで体験頂いた後、ご購入の際は以下よりライセンスをご注文頂き、やり取りの後に発行されるアクティベーションコードを入力するだけで、ソフトウェアを有効にできます。

HDR Light Studio について

HDR Light Studioは、3Dモデルを高速且つ正確に照明する方法を提供します。照明デザインは、あらゆるレンダラーで使用することができる高解像画像、ハイダイナミックレンジとして保存されます。 3DシーンをHDR Light Studioに読み込んで、プリセットライトをレンダービュー上に「ドラッグアンドドロップ」してください。HDRIマップとレンダリングビューが、正確 な位置にある新しいライトを即座に更新します。試行錯誤したり、どこにライトを当てるか推測する必要はもうありません。

HDR Light Studio のデモンストレーションムービー

基本的な操作方法の説明からデモ、Q & A まで、大変分かりやすい内容となっておりますのでぜひご覧ください。