Maxon秋のリリースでZBrush for iPadが登場、
さらに精度とコントロールが向上

Cinema 4Dでシミュレーションのコントロールが簡単になり、Redshiftでワンクリックによる美しいコースティクスの作成、ZBrushの機能をどこでも使えます!

2024年9月10日、ドイツ・バートホムブルクにてMaxonは「Maxon One 2025」を発表しました。Maxonは、2D/3Dデザイン、モーショングラフィックス、アニメーション、映画製作、デジタル彫刻など、幅広いクリエイティブ分野で使われるソフトウェアを提供しています。

今回のリリースでは、Cinema 4D、Redshift、Red Giant、Cinewareがアップデートされ、精度とコントロールが向上し、クリエイターがより効率的に作業できるようになっています。特に、プロダクトデザイナーやVFXアーティスト、モーショングラフィックスアーティスト向けの機能改善が施され、ワークフロー全体が大きく強化されました。

さらに、待望のZBrush for iPadが登場。デスクトップ版ZBrushの強力な機能を維持しながら、タッチ操作に最適化されたユーザーインターフェースを採用し、Apple Pencilを使った直感的な操作が可能になりました。これにより、初めてのユーザーでも手軽にデジタル彫刻を始めることができます。

新機能ハイライト

ZBrush for iPad

ZBrush for iPadがリリースされ、ZBrushのデスクトップ版で提供されている機能をモバイル環境でも利用できるようになりました。タッチ操作やApple Pencil対応により、直感的なスカルプティングが可能になっています。UIはiPad向けに最適化されており、クイックメニューのカスタマイズやApple Pencilのダブルタップ機能を使った操作の割り当てが行えます。

iPadの性能に応じて異なるポリゴン数を処理可能で、最新のM4 iPadでは、メッシュあたり最大9200万ポリゴンを扱えます。また、ZBrush for iPadには無料プランも用意されており、28のブラシや基本的なスカルプティング機能を試すことができます。さらに、フル機能版にアップグレードすれば、200を超えるブラシと完全なツールセットを利用できます。

Cinema 4D 2025

Cinema 4Dの最新アップデートでは、すべてのサブスクリプションユーザーがRedshift GPUを利用できるようになり、これまで以上に手軽にプロフェッショナルなレンダリングを行えるようになりました。また、新しいパーティクルやシミュレーションのコントロールオプションが追加され、シンプルな操作で複雑なモーショングラフィックスを作成できるようになりました。

例えば、スプラインに追従するパーティクルのモーションを簡単に設定できる新しいモディファイアが追加され、リジッドボディシミュレーションも強化されました。これにより、物理的な挙動や力のコントロールがしやすくなり、さらにリアルなシミュレーションが可能になります。Cinema 4Dのエクスポート機能も改善され、USD形式でのインスタンスやスケルタルアニメーションの出力がより効率的に行えるようになりました。

Redshift

Redshift 2025はユーザーの創造力をさらに広げ、フォトリアルでもノンフォトリアルでもあらゆるGPUやCPUをフル活用してレンダリングを実行できます。トゥーンレンダリングが拡張され、シーン全体にライン描画を簡単に適用できるグローバル輪郭オプションが追加されました。また、輪郭トーンマッピングやユーザーが作成したカスタムトーンマップパターンを使用して、トゥーンラインやシェーディングのルックをより正確に設定できます。簡単なブルートフォース・コースティクスは、グラスや宝石など、透明なサーフェイスを透過したリアリスティックで美しい光のパターンを容易に設定できます。

このほかRedshift 2025の改善には、スプライトの入力としてプロシージャルシェーダーを使用するオプションや、雲、煙、爆発のコンポジットに役立つ新しいボリュームボリュームAOVパスが含まれています。

すべてのCinema 4Dサブスクリプションには、Redshift GPUレンダリングのフル機能が含まれるようになり、Cinema 4Dのクレーンカメラ、モーフカメラ、モーションカメラにネイティブなRedshiftカメラが追加されたことで、さらにしっかりとした統合環境で利用できるようになりました。ユーザーは、Substance 3Dマテリアルのプリセットを活用できるほか、マテリアルのサイズ、回転、色空間を調整するための改良されたオプションも利用できます。

Red Giant

Red Giant 2025は、新しい機能によりワークフローを大きく改善します。これには、After EffectsのGeoの新機能、Particular デザイナーのUI改善、そして色とHDRビデオを扱うための新しいツール「Parametric Curve」などが含まれます。

  • After Effectsでは3Dジオメトリへのテクスチャ設定とクローナーが使えるRed Giantの新しいツールのGeoは、アニメーションリグと内蔵の被写界深度のサポートが加わって、クリエイティブの可能性がさらに広がりました。クローナ―の機能も拡充され、複数のマテリアルとオブジェクトが加わったほか、新たなトランスフォームコントロールにより、配列ベースのショットの負担を減らしています。

  • 刷新されたParticularのデザイナーには、最適化されたプリセットの検索やナビゲーション、その他のQOLの改善が含まれており、アーティストはツールの管理ではなくアートの作成に集中できます。

  • Maxon Studioでは、新しいテンプレートエンジンがアップデートされ、再使用可能なプリセットとして変更内容を保存できる機能を加えて、デザインのカスタマイズ・管理方法を改善しています。

  • Parametric Curveは、カラーとHDRビデオに関する包括的なワークフローが含まれた新しいツールです。アーティストはHDRカーブを使用してフッテージを操作できます。ベジェ曲線を使用した繊細なコントロールにより、HDRカーブLUTで画像を処理し、画像上でカーブを重ねられるという利点があります。

Cineware

Cineware 2025は、統合がさらに広がり、複数のパフォーマンスが改善されました。また、Adobe After EffectsやUnrealのような他のホストアプリケーションとの統合もよりシームレスになりました。

カプセル

今回のリリースでは、Maxon カプセルに多数の機能が追加されました。Maxon カプセルは、プロジェクトの起点が必要な場合にMaxon Oneのサブスクユーザーが使用できるアセットの包括的なライブラリです。岩や砂、溶岩、草といったAixteriorの屋外のスキャンマテリアルの豊富なコレクションのほか、Laubwerkのフォトリアルな植物の膨大なコレクションを利用すれば、ドラマチックなランドスケープをかつてないほど容易に作成できます。

木、タイル、アスファルトシングル材など、Fuchs & VogelのRedshift向けマテリアルの新しいコレクションのおかげで、プロジェクトをレベルアップできます。

Maxon App

Maxon Appで、すばやくユーザー切替ができるようになったため、複数のコンピューターで作業する場合にライセンスのアクティベーションをすみやかに切り替えることができ、プロジェクトのワークフローがより柔軟かつ効率的になりました。これにより、アーティストは会社のMaxonライセンスを自宅で使い、自分のコンピューターでプロジェクトの作業を完了できます。MyMaxonポータルでライセンスを管理する必要はありません。

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