Maxon社は、2025年秋のリリースにおいて、Cinema 4D・Redshift・ZBrush・Red Giantといった主要製品群の大幅アップデートを発表しました。今回のテーマは、直感的な操作性の強化とアートディレクションの自由度の向上、そして建築やゲーム制作ワークフローの拡充です。

液体シミュレーションやAI検索、次世代テクスチャ変位、Pythonスクリプト対応など、制作現場を支える革新的な機能が揃いました。本記事では、公式発表内容をもとに各製品の進化を解説します。


Cinema 4D|液体シミュレーションとAI検索で制作効率を革新

RELEASE PRESENTATION
液体
シミュレーション
統合シミュレーションシステムに液体シミュレーションが追加され、エミッターや粘性設定でリアルな流体表現が可能になりました。
液体シミュレーションの例
AI 検索
カプセル、アセット、テクスチャ、プリセットを対象にローカル資産を横断検索。高速で正確な結果により、リソース探しの時間を大幅に短縮します。
AI検索の例
UDIM のサポート
業界標準パイプラインに対応するUDIMワークフローが直接利用可能になりました。
UDIMサポート イメージ

Capsulesとアセット強化

プロシージャルの
Laubwerkの樹木
種類やバリエーションの調整に加え、季節や時間の変化をアニメーション化することが可能です。
Laubwerk樹木 プロシージャル・季節アニメーション対応
新マテリアルコレクション
「Wax & Soaps」「Wool & Knit」
没入感のある表現や温かみのある質感を実現します。
新マテリアルコレクション Wax & Soaps, Wool & Knit
Colonial Officeアセットパック(アンティーク調シーン)
緻密な家具や建材を収録したアンティーク調のオフィスシーンをすぐに利用できます。
Laubwerk樹木 プロシージャル・季節アニメーション対応
Rocket Lasso「Join Spline Generator」
スプラインを効率的に結合し、建築要素を素早く作成できます。
新マテリアルコレクション Wax & Soaps, Wool & Knit

Redshift|次世代レンダリングを支える進化

フィジカルサン&スカイ改善
高度調整やプロシージャル雲に対応。建築やVFX向けによりリアルな空を表現可能になりました。
フィジカルサン&スカイ改善
シーン単位の認識
スケーリングの不整合を解消し、建築ワークフローを円滑化します。
シーン単位の認識
バンプマッピング改善
OSLシェーダやクロージャベースマップに対応し、ディテール表現を強化しました。
バンプマッピング改善
次世代テクスチャ変位(近日公開
テクセルベースで実装され、パフォーマンスと高精細表現を両立します。
次世代テクスチャ変位(近日公開)
その他強化
NVIDIAデータセンターGPU、ACES 2.0、3ds Max IPR改善、Houdini Solarisに完全対応します。
その他強化

ZBrush|Python対応とiPad機能強化

ZModeler改善
InsertEdgeLoopやMultiEdgeLoopに自動クリーズ機能が追加され、精度と操作性が向上します。
ZModeler改善
Pythonスクリプト(デスクトップ)
自動化やプラグイン開発、UIカスタマイズに対応します。
Pythonスクリプト(デスクトップ)
iPad強化
  • STL/3MF/VRMLに対応した3D Print Hubを利用できます。
  • Scale Masterで実世界単位を設定できます。
  • UIカスタマイズの保存・転送・共有が可能です。
  • Surface Noiseが再設計され、Undo/Redoにも対応します。
iPad強化
クラウドPro Projects
複数のデバイスでプロジェクトを共有することが可能です。
クラウドPro Projects
近日公開予定
新しいリトポロジーツール、再設計されたフォルダ構造、新しいUVエディタが追加されます。
近日公開予定

Red Giant / Maxon Studio|Resolve連携と新エフェクト群

作成ページ
カスタムテンプレートの作成・共有に対応します。
作成ページ
エフェクトカプセル
複雑な設定を再利用可能なアセットとして扱えます。
エフェクトカプセル
DaVinci Resolve対応強化
ShineとStarglowが追加されます。
DaVinci Resolve対応強化
Resolve/Fusionギズモ改善
Spot Blur、Gradient Backgrounds、Chromatic Glowを直感的に操作できるようになります。
Resolve/Fusionギズモ改善
自動デプス推定(近日公開)
AIによる深度マップ生成が可能になり、高度な合成を効率化します。
自動デプス推定(近日公開)

リブランディング

新しいブランド表現
六角形モチーフが採用され、Cinema 4DやZBrushのレガシーを継承しつつ、製品間でアイコンや配色が統一されました。
Maxon Appで順次反映
新しいブランドデザインが今週からロールアウトされ、パートナー向けにブランドガイドも提供される予定です。

まとめ

Fall Ecosystem 2026 アップデート総括
Maxon製品2025年秋のリリースは、直感的な操作性と高度な表現力を兼ね備えた進化であり、モーショングラフィックス、建築ビジュアライゼーション、ゲーム制作など幅広い分野を強力にサポートする内容となっています。
リブランディングによって「Maxonファミリー」としての一体感も高まり、今後の製品展開がますます期待されます。