Nuke 13.1 リリース情報

改善された3Dユーザエクスペリエンス、OCIOv 2、タイムラインのアップグレード、新しいUnrealReaderノードのリリースで、Nuke 13.1 はユーザーとパイプラインにパワーをもたらし、ハイエンドで息をのむようなイメージを簡単に作成し続けることができます。

Nuke 13.1 新機能

3Dユーザーエクスペリエンス

Nuke 13.1では、Nukeの3Dハンドルを完全に再設計し、より使いやすく機能を拡張して、他の3Dアプリケーションの標準に近づけました。これらの改良により、Nukeの3Dシステムでの作業が迅速かつ容易になり、3Dオブジェクトを正確にViewer上で直接配置することが簡単になります。

Nukeの新しい3Dトランスフォームハンドルは、Katanaのものと一致しているため、2つのアプリケーション間での作業がシームレスになりました。新しいハンドルには、複数の軸でオブジェクトを変形させるための新しいウィジェット、ホットキーを使ってビューア内のトランスフォームハンドルのサイズを変更する機能、および、ジオメトリを動かさずにピボットを移動させることができるように、ピボットポイントコントロールの更新が導入されています。

また、様々なDCCの標準設定に基づいたホットキーの選択や、ジオメトリの変形ツールを選択するための新しいツールバーも追加され、ワークフローを中断することなく、Nukeとお使いのDCCの間を簡単に行き来できるようになりました。

最後に、ローカル空間、ワールド空間、スクリーン空間でジオメトリを操作する機能が追加され、Nuke内の必要な場所にジオメトリを簡単に配置することができるようになりました。

Unreal Engineとの接続(UnrealReaderノード)

UnrealReaderは、NukeとUnreal Editorを接続する、新しいNukeXのノードです。UnrealReaderは、コンポジター向けにUnreal Engineからライブレンダリングを生成し、その結果をNuke内で制御することで、レイヤー内でのオブジェクトの分割、パスの分離、環境マップの構築、ショットのフレーミングの調整などを、迅速かつ簡単に行うことができます。この機能は、Nuke 13.1ではベータ版としてリリースされています。

UnrealReader は、Unreal マップ内のシーケンスとNukeを同期させ、レンダリングパスを Nuke内へ直接ストリーミングします。UnrealReaderは、TCP/IP接続を介して接続されるため、Unreal Editorは、Nukeと同じマシンや別のマシン、さらには異なるオペレーティング・システム間でも実行することができます。内部的には、UnrealReaderはUnrealのMovie Render Queueシステムをラップして、Nukeのツールセット内で直接インタラクティブに合成するためのワークフローを提供します。

機械学習ツール(AIR)に関する更新

WETAデジタル社との継続的なコラボレーションを通じて、Mariのコアテクノロジーを大幅に最適化することができました。Mari 5.0では、プロシージャルレイヤーをペイントに変換したり、ノードネットワークをベイクポイントにフラット化したり、または単にペイントをレイヤーに確定したりする際に、シェーダーのフラット化が高速になります。フラット化エンジンの一部としてのMariのGPUとCPUは、同時に実行されることが多くなり、一部のシナリオではフラット化のベイク時間が最大50%短縮されます。その結果、待ち時間が少なくなり創造性が向上します。

Timelineの機能の改良

Nuke 13.1では、ユーザーエクスペリエンスの向上、ワークフローの更新、アーティストの作業効率化を目的として、タイムラインに様々な改善が施されています。異なるバージョンのシーケンス間で、ユーザーがソフトエフェクトを編集、管理、移動または更新しやすくするために、ソフトエフェクトをペーストする新しい方法を追加しました。 ペーストする際には、従来の操作に加えて、現在のソフトエフェクトを上書きする方法や、ソフトエフェクトを新しい編集内容に順次ペーストする全く新しい方法などのオプションが追加されました。これらのユーザーエクスペリエンスの向上により、これまで以上に簡単に編集内容を発展させることができます。

タイムラインプロジェクト処理の改善

Nuke StudioとHieroプロジェクトが大きく複雑になるにつれて、ロードに時間がかかり、ワークフローのボトルネックになる可能性があります。Nuke 13.1では、プロジェクトのロード時間を30%削減しましたが、今後もこのような最適化を継続して、Nuke 13開発サイクル全体でさらに大きな削減を実現していきます。プロジェクト間でクリップとシーケンスをコピー&ペーストする機能と組み合わせることで、複数のプロジェクトでの作業が簡単になります。クリップ、シーケンス、または複雑なビン構造をプロジェクト間ですばやく簡単に移動できるようになり、ワークフローに合わせてプロジェクト間を自由に移動できるようになりました。

Cryptomatte / Encryptomatte

Cryptomatteのワイルドカードの構文が拡張され、マットリスト用に 「-」 記号を使用した新しい式の除外が導入されました。これにより、マットリストの選択範囲からCryptomatteを除外することができ、複雑なマットの選択が容易になります。 また、新しいノード「Encryptomatte」が追加され、Nuke内で独自のCryptomatteをエンコードすることができます。

Node Graph

Nuke 13.1では、新たに Node Graph ユーザエクスペリエンス機能を追加して、アーティストとそのワークフローを加速します。また、待望されていた機能「Shake to Disconnect」を搭載しました。ノードを 「シェイク」するだけで、そのノードをパイプから切り離すことができます。この操作はデフォルトで有効になっています。

「Shake to Disconnect」は、単一のノード、異なるブランチにまたがって選択された複数のノード、または連結された複数のノードで動作します。Nuke 13.0で改善された、連結された複数のノードをパイプに正しく挿入する機能と連携して、この新機能は素早く簡単にスクリプトのセクションの周辺に移動させ、切断と再接続を簡単に行うことができます。

Macでの Hydra ビューアの対応

Nuke 13.1 では、Nukeの3D ビューポートのHydraのサポートをmacOS上で動作するように拡張し、Macユーザーが新しいビューポートレンダラーとしてhdStormを利用できるようにしています。NukeのビューポートでhdStormに対応することで、Nukeはパイプライン内の他のアプリケーション(Katana、Solaris、USDView)と一貫性のある3D ビューアを確保できるようになるだけではなく、Scanline Render からの出力結果をより忠実に再現する 3D ビューポートを提供します。

シームレスなアノテーション

Nuke 13.0に引き続き、Monitor Outプロパティのパラメータを整理して、より直感的に操作できるようにするとともに、新しい機能を追加しました。今回のリリースでは、モニター出力デバイスおよびフローティングウィンドウ上で、アノテーションとマウスカーソルを有効にする機能を導入しました。これにより、誰もが明確にポイントし、注釈をつけることができるようになり、すべてのレビューセッションが容易になります。

Blackmagic RAW への対応

今回のリリースでは、NukeとNukeStudioの両方でBlackmagic RAWファイルに対応しました。Blackmagicコーデックに含まれるRAWデータを読み込んで作業する機能により、ユーザーはNuke内またはタイムライン上の.brawファイルを編集し、撮影現場で決定されたものを超えて、ショットのルックをクリエイティブに決定することができます。ユーザーは、ISO、ホワイトバランス、露出などの機能をRAWデータとして非破壊的に変更でき、画質を維持しながらの後処理で画像をより細かく制御できます。これにより、後処理によって追加のアーティファクトを発生させることなく、自由に柔軟な発想で可能な限りの最高の画像を作成することができます。

OCIO v2への対応

Nuke 13.1では、OCIO v2に対応しています。Nuke Studioで、Node GraphのビューアとTimelineのビューアでの画像の出力結果が一致するようになりました。Node Graphのビューアでは、CPUとGPUのパスを切り替えたときに、画像の出力結果が一致するようになりました。また、GPUパスを有効にした場合の再生パフォーマンスも改善されています。

メタデータに関する更新

以前から要望の多かった機能として、Burn-InやTextソフトエフェクトのカスタムメタデータにアクセスする機能と、メタデータパネルを開いたときにファイルの最初のフレームのメタデータだけではなく、フレームごとのメタデータを確認する機能が挙げられます。このことを考慮して、タイムライン上ですべてのメタデータを渡すことができるようにし、Metadataパネルを強化して、フレームごとのメタデータに対応した新しいパネルにしました。

ライブラリとSDKのアップデート

Nuke 13.1には、ライブラリとSDKのアップグレードが含まれており、USDは21.05にアップデートされ、異なるアプリケーション間で一貫した作業が可能になりました。REDは8.0.4に、AJA SDKは16.0.1に、BMD DeckLink SDKは12.0に、ACESは1.2に更新されています。

Nuke 13.1 アップグレードについて

Nuke 13.1 は、メンテナンス期間が有効なお客様に対して無償で提供され、ダウンロードが可能です。

いますぐNuke 13.1 をダウンロード

メンテナンス更新をご希望のお客様は、こちらまでご連絡ください。

Nuke製品の30日間評価版はこちら
※ダウンロードにはアカウントを作成する必要があります。

Nuke 詳細およびご購入は以下リンクよりご覧ください。

関連記事

【Foundryサポートブログ】Nuke 13.1 新機能紹介を追加しました

弊社 Foundry サポートブログにて、Nuke 13.1 新機能紹介の記事をアップしました。