RizomUV 2025の新機能「Pack Groups to Tiles」は、RizomUVで作成したグループ単位で、UVアイランドをUDIMタイルへ自動配置できる機能です。従来の「Polygon Groups(オブジェクト/マテリアル/ポリグループ/スムージンググループ)」といったカテゴリ基準の配置に加え、ユーザーが任意に組んだ作業用グループ基準での配置にも対応しました。この記事では公式クイックチップ動画に沿って、各設定の挙動と実務での使いどころをわかりやすく解説します。


こんな方におすすめ

こんな方におすすめ
グループ単位でUDIMレイアウトを素早く整理したい方
既存タイルの内容を維持したまま追加配置したい/逆に同一タイル内を再パック(再配置)したい方
行・列の並びやUDIM番号の規則性まで含めて、レイアウトを統一したい方

機能の場所と前提

機能の場所と前提
1
左パネルの Groups タブを開き、下部の Group Settings 内にある Pack to Tiles セクションを使用します。
2
事前に Groups(グループ) を作成しておくと、各設定(One-to-OneMax ColumnsFilling DirectionLock・RepackMix)の効果を確認できます。

基本:One-to-One(1グループ=1タイル)

基本:One-to-One(1グループ=1タイル)
💡
One-to-One を押すと、各グループが アクティブなタイル に 1 対 1 で自動割り当てされます。
なお、クイックチップ動画の挙動では、アクティブタイルが不足する場合に 新規の UDIM タイルが自動生成 され、各グループがそれぞれのタイルへ配置されることも確認できます。
まずは設定を変えずに One-to-One を実行し、Undo(Z) で戻しながら 他の設定(Max Columns/Filling Direction/Lock・Repack/Mix)を組み合わせて挙動を確認すると理解が早いです。

配列制御①:Max Columns(最大列数

🔢 配列制御①:Max Columns(最大列数)
🎯 役割
1行に並べるタイル数の上限を指定します。
🖼️
2 に設定すると、1行に2枚まで配置し、3枚目からは次の行へ折り返します。
💡 使いどころ
UDIM番号の視認性や行・列の規則性を保ち、レイアウトの見通しを揃えたいときに有効です。アセットの管理方針に合わせて列数を調整してください。
📝 補足
Mix モードでは新規タイルを作成しないため、Max Columnsは無効です。

配列制御②:Filling Direction(充填方向)

➡️ 配列制御②:Filling Direction(埋める方向)
⚙️ 役割
タイルをどの順序で埋めていくかを指定します。
⬅️➡️ Row(行優先)
横方向に並べてから、次の行へ移動します。
⬆️⬇️ Column(列優先)
縦方向に並べてから、次の列へ移動します。
💡 活用
Max Columns × Filling Direction × One-to-One を組み合わせることで、行・列の並びやUDIMの視認性/規則性を思い通りに整えられます。

既存タイルの扱い:Existing In Tile(Lock / Repack))

配列制御③:Lock・Repack(固定/再パック)
役割: グループに属していない既存アイランドを、パック時にどう扱うかを指定します。
Lock(固定)
既存アイランドを動かさずに残し、その周囲にグループ内容を配置します。
Repack(再パック)
既存アイランドも同じタイル内でまとめて詰め直し、全体最適を図ります。
既存レイアウトを保持したい → Lock
タイル内を一度きれいに再配置したい → Repack

混在配置:Mix(既存タイルのみでパック)

混在配置:Mix(既存タイルのみでパック)
Mix は、すべてのグループ内容を 既存のアクティブタイル内に混在して配置 します。

新しいタイルは作成されません。 必要な枚数の UDIM タイルは、あらかじめ用意しておいてください。
この仕様上、Max Columns の設定は無効(新規タイルを並べないため)となります。
向いているケース:既存タイルの範囲内で、手早く全体を詰め直したいとき。
注意点:タイル容量が不足しそうな場合は、先にタイルを追加してから Mix を実行してください。

実務での使い分け(シナリオ別)

実務での使い分け(シナリオ別)
UDIMを“見栄えよく”整列したいOne-to-One × Max Columns × Filling Direction(Row/Column) 行・列の規則性とUDIM番号の見通しをそろえて配置。
既存配置を厳密に維持したいExisting In Tile = Lock (グループ外の既存アイランドは固定)既存レイアウトを崩さず、グループ分だけ追加配置。
同じタイル内で効率よく詰め直したいExisting In Tile = Repack 既存アイランドも含めてタイル内を最適化して再配置。
既存タイルだけで完結したい(タイルは増やさない)Mix (必要に応じて先にUDIMタイルを追加)既存のアクティブタイル内に全グループを混在パック。※Max Columnsは無効。

よくあるつまずき

よくあるつまずき(Q&A)
Q. Mixでタイルが増えない
仕様 Mixは既存のアクティブタイルのみを使い、新規タイルを作成しません。
対処 必要枚数のUDIMタイルを先に追加してからMixを実行してください。
Q. Max Columnsが効かない
仕様 Mix中は新規タイルを並べないため、Max Columnsは無効です。
対処 列数や並びを制御したい場合は、One-to-One(+ Max Columns / Filling Direction)を使用してください。
Q. Polygon Groups配布との違いが分かりにくい
ポイント
  • Polygon Groupsは カテゴリ基準(オブジェクト/マテリアル/ポリグループ/スムージンググループ)
  • Pack Groups to TilesはRizomUV内で作った 任意のグループ基準
使い分け
  • DCC由来のカテゴリでまとめたい → Polygon Groups
  • 作業単位で柔軟に束ねたい → Pack Groups to Tiles

まとめ

まとめ
機能 ポイント
Pack Groups to Tiles RizomUV内で作成したグループ単位でUDIMタイルへ自動割り当て。
One-to-One 各グループ=1タイル。必要に応じて新規タイルを自動作成し、
Max Columns / Filling Directionで配置順序と並びを制御。
Existing In Tile グループ外の既存アイランドを固定(Lock)するか、同一タイル内で再パック(Repack)するかを選択。
Mix 既存のアクティブタイルのみを使って全グループを混在パック。
新規タイルは作られない/Max Columnsは無効。

すぐ使えるチェックリスト

すぐ使えるチェックリスト
  1. 1
    Groups を用意する Groupsタブでグループを確認/新規作成
  2. 2
    Pack to Tiles を開く 左パネル Groupsタブ → Group Settings → Pack to Tiles
  3. 3
    挙動確認:One-to-One を実行 まずは既定値のまま One-to-One(必要に応じて Undo(Z) で戻す)
  4. 4
    並びを整える:Max Columns × Filling Direction 列数(Max Columns)と充填方向(Row / Column)を調整してUDIMの規則性を揃える
  5. 5
    既存タイルの方針を決める:Existing In Tile 既存レイアウトを保持 → Lock
    同じタイル内で最適化 → Repack
  6. 6
    混在配置:Mix を必要に応じて Mix は既存タイルのみを使用(新規タイルは作られない/Max Columnsは無効)
    タイルが足りない場合は、先にUDIMタイルを追加してから実行

付録:用語メモ

付録:用語メモ
Group(グループ) RizomUV 内で任意のアイランド/ポリゴンなどをまとめて扱う作業単位。
選択・表示制御や Pack to Tiles の基準として利用。
UDIMタイル UV 座標の 0–1 を超えて番号(1001、1002…)で管理する複数タイルのレイアウト方式。
大きなテクスチャ領域を タイル単位 で分割して運用する。
Pack(パック) UV アイランドをタイル内に 自動配置 する処理。
One-to-One/Max Columns/Filling Direction/Lock・Repack/Mix などの設定で挙動を制御できる。