GPU加速パッキング:概要と対応環境
GPU加速パッキング:概要と対応環境
RizomUV 2025では、新たにGPU加速パッキングを搭載しました。
従来のCPUパッキングに比べて大幅な高速化が見込まれるほか、タイルあたりのUV使用率(カバレッジ)も平均で約2〜4%向上します。
特に複雑形状や凹型アイランド/アイランド数が少ないモデルで高い効果が得られます。
特に複雑形状や凹型アイランド/アイランド数が少ないモデルで高い効果が得られます。
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速度向上の度合いはGPU性能や環境に依存。
数倍の高速化が得られる場合もあれば、効果が小さい環境もあります。 - 対応: 2025.0初期リリース時点ではWindows+CUDA対応GPUのみ
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GPU:
NVIDIA製(CUDA利用)。
RTX 20シリーズ以降+最新ドライバが推奨 - 今後の対応: 他プラットフォームの確約は現時点でありません
- アプリ起動時: 対応環境では「GPUパッキング」チェックボックスが有効になり、オンでGPU、オフでCPUを使用可能。チェックがグレーアウトの場合は非対応GPUです。
※ご注意:
GPUパッキングの効果や利用可否は環境により異なります。
最新のNVIDIAドライバとCUDA対応GPUでご利用ください。
GPUパッキングの効果や利用可否は環境により異なります。
最新のNVIDIAドライバとCUDA対応GPUでご利用ください。
速度比較とCPU側の改良
速度比較とCPU側の改良
- 実演デモ(第1世代Threadripper+GeForce RTX 3090)では、GPUパッキングがCPU比で約4倍の速度を確認しました。一般的な6〜8コアCPUでも、最新世代GPUと組み合わせると6〜10倍程度の高速化が期待できるケースがあると説明しています。(いずれも環境依存)
- 同時に、CPUパッキング自体も並列化の最適化により高速化されています。GPU非対応環境でも旧版より改善が見込めますが、マルチスレッド効果はCPUのコア数に依存する点に留意してください。
速度とカバレッジのトレードオフ(検証例)
速度とカバレッジのトレードオフ(検証例)
10,000アイランドのヘビーなモデル検証では、以下のような結果が得られました。(デモ環境の実測値)
- Efficient(速度重視):約6秒/45%カバレッジ
- Padding Perfect(パディング精度優先):約16秒/48%カバレッジ
計算負荷を増やすほど詰め込み精度(空間利用率)は上がる一方、所要時間も延びるという
速度と効率化がトレードオフになります。
新パッキング方針(4種類)
新パッキング方針(4種類)
モード名 | 特長・用途 | 目安例 |
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Efficient 速度重視 |
最小パディングを守りつつ最短時間でパック。 有機的形状では余白がやや広く出ます。 プロトタイピングや反復作業に最適。 |
約6秒/45%カバレッジ |
Padding Perfect 精度重視 |
アイランド間の余白を厳密に確保し、 タイル使用率の最大化を優先(計算時間は延びます)。 最終アセット・品質重視向け。 |
約16秒/48%カバレッジ |
Pixel Aligned ピクセル整列 |
各アイランドのバウンディングボックスをピクセルグリッドに整列。 ベイク時の補間アーチファクト抑止や、 ゲームエンジン向けのシャープさ向上に。 トランスフォーム選択時に整列状態を視覚確認可能。 |
小アイランドがピクセルに沿って配置 |
Pixel Art 実験的 |
アイランド輪郭自体をピクセルグリッドに合わせてスケーリング。 ピクセルアート系モデルで、輪郭線のズレやサブピクセル問題を改善。 複雑なメッシュでも境界順応例あり。 Discordにてフィードバック募集中。 |
ピクセル単位で均一化 |
実務の指針:
速さ重視:Efficient
最終品質重視:Padding Perfect
※いずれも最小パディング値は厳守されます。用途に合わせて速度と精度の優先度で選択してください。
速さ重視:Efficient
最終品質重視:Padding Perfect
※いずれも最小パディング値は厳守されます。用途に合わせて速度と精度の優先度で選択してください。
Align UV to 3D(UV方向合わせ)
Align UV to 3D(新機能)
Align UV to 3Dは、UVアイランドの向きを3D空間の方向に合わせてパッキングします。従来のXUP/YUP/ZUPより柔軟で、Main AxisとFallback Axisを設定し、X/Y/Z各軸の正負方向をU/Vへ割り当て可能です。
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ラジオモデル(矢印テクスチャ):Main Axisでモデル空間のYを+Vに割り当てると、矢印が上向きに統一されます。
−Vにすると下向きで統一され、意図した方向へ明示的に制御できます。 -
XZ平面モデル:Main Axisで有効な情報が得られない場合、Fallback Axisが自動で適用されます。
例ではX→+Uにマッピングされ、表示上も意図した通りの向きが確認できました。
実例モデル別の使い分けポイント
岩(スキャンデータ)
ねらい
多数のアイランドと高ポリゴンを持つ重いケースで、処理時間とカバレッジの変化を比較します。
使う方針
Efficient:高速処理を優先し、最低限のパディングでパックします。試行錯誤や初期段階のプロトタイプに適しています。
Padding Perfect:パディングを厳密に守りつつカバレッジを最大化します。最終的な成果物の品質確認に適しています。
Padding Perfect:パディングを厳密に守りつつカバレッジを最大化します。最終的な成果物の品質確認に適しています。
見るポイント
処理時間(秒)とタイルカバレッジ(%)を比較し、オーバーラップが発生していないか確認します。GPU対応環境ではCPU比で約3~4倍の高速化、カバレッジは平均で+2~4%向上する傾向が見られます。用途に応じて「試作はEfficient、仕上げはPadding Perfect」の切り替えが有効です。
メカロボット(ハードサーフェス)
ねらい
エッジのにじみを抑えてシャープな質感を得ること。
使う方針
Pixel Aligned:UVアイランドの外接ボックスをピクセルグリッドに合わせて配置します。わずかな非均一スケールを許容して、境界線の補間アーティファクトを低減します。
見るポイント
UVビューでピクセルグリッド表示を有効にして、アイランド境界がグリッド線に沿っているかを確認します。ハードサーフェス系(メカ、武器、プロップ等)や小さなアイランドが多いモデルでベイク後のエッジにじみが減っているかチェックしましょう。
ハート形(有機形状)
ねらい
Pixel Artモードが「使える場面」と「使えない場面」を理解する。
使う方針
Pixel Art:UVアイランド自体をピクセルグリッドにフィットさせる実験的モードです。ピクセルアート風の階段状の輪郭を持つモデル向けであり、滑らかなハート型など滑らかな輪郭には適しません。
見るポイント
滑らかな輪郭のモデルでPixel Artを使うと、輪郭が歪んだり意図しない縮尺になりやすいことを確認します。通常はEfficientやPadding Perfect、あるいはPixel Alignedを選ぶ方が無難です。
ラジオ/平面モデル(向き合わせ検証)
ねらい
「Align UV to 3D」を使い、3D空間での上・前・右方向がUV空間の+U/–U/+V/–Vにきちんと対応しているかを検証します。
使う方針
Align UV to 3D:各アイランドの3D上の向きに基づきUVを配置します。指定した主軸が効かない場合はフォールバック軸が適用されます。トリムシートや方向性テクスチャの素材に便利です。
見るポイント
矢印テクスチャなどを貼り付け、「常に上は上」になるよう配置されているかを確認します。すべてのアイランドで意図した向きが保たれていれば成功です。
まとめと今後
まとめと今後
RizomUV 2025は、GPU加速パッキング、方針セレクター(Efficient/Padding Perfect/Pixel Aligned/Pixel Art)、Align UV to 3Dなど、パッキング周りを大きく強化しました。Pixel Artは実験の段階であり、ユーザーからのフィードバックを基に改良予定です。
詳細や関連コンテンツは動画内の案内から参照でき、Discord/SNSでの意見提供も募っています。環境依存の要素(GPU種別・CPUコア数など)を踏まえつつ、試作段階はEfficient、最終段階はPadding Perfect、ピクセル厳密さが求められる場面はPixel Aligned、ピクセルアート表現にはPixel Artという使い分けが実務上の基本的な使い方となります。
使い分け指針:
Efficient:試作・高速化重視
Padding Perfect:最終品質・カバレッジ重視
Pixel Aligned:ピクセル境界厳密化
Pixel Art:ピクセルアート表現専用(実験的)
Efficient:試作・高速化重視
Padding Perfect:最終品質・カバレッジ重視
Pixel Aligned:ピクセル境界厳密化
Pixel Art:ピクセルアート表現専用(実験的)
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