この記事では、Gaea(ガイア)のDusting(ダスティング)ノードを使った雪表現および、砂岩風の岩山地形への適用方法について詳しく解説します。
Gaea ノード_Dusting(薄い砂塵)
Dustingノードの基本設定と役割の解説
Dustingノードの基本設定と役割の解説
DustingはGaeaにおける軽量な堆積シミュレーションノードで、主に雪や砂塵のような薄い表層を再現するのに用いられます。特に岩肌のリッジや鉱物質の構造を視覚的に強調するために有効で、山岳地形の三次元感を引き立てる重要な役割を果たします。
ノード内部には多数の調整パラメータがあり、雪の高さ、密度、方向性、溶解具合、斜面への付着度などを細かくコントロールすることができます。また、既存の雪ノードとの統合機能やテクスチャ直接入力などにも対応しており、ノードグラフの簡素化にも役立ちます。
ノード内部には多数の調整パラメータがあり、雪の高さ、密度、方向性、溶解具合、斜面への付着度などを細かくコントロールすることができます。また、既存の雪ノードとの統合機能やテクスチャ直接入力などにも対応しており、ノードグラフの簡素化にも役立ちます。
Dustingの主要パラメータと使い方
Snowfall設定(Strength / Snow Line / Fall-off)
- ● Strength:全体の雪密度を決定します。値を上げると雪が増え、下げると減少します。
- ● Snow Line:積雪の開始高度を設定します。山頂に限定したいときは高めに、谷にも雪を残したい場合は低めに設定します。
- ● Fall-off:単なるグラデーションではなく強度の減衰を表現します。自然な散布表現に最適で、谷底にうっすら残すにはこの値を高めに設定します。
Distribution(Directional / Coverage / Peak / Slope Coverage / Flow)
- ● Directional:雪を片側だけに載せる設定です。日照による片側融雪などを再現できます。
- ● Coverage:Directionalが有効な場合に、雪が回り込む角度の幅を調整できます。
- ● Peak:山頂への優先配分率を設定します。リッジに雪を集中させたいときに有効です。
- ● Slope Coverage:崖や急斜面への雪の付着を調整できます。マスク的な役割も持ちます。
- ● Flow:雪の分布に流線模様を追加できます。ぼかし効果もありますが、ディテールを損なう場合があるので注意が必要です。
その他の細かな設定(Melt / Gritty / Include Existing Snow など)
- ● Melt:フェード領域を制御します。値を下げることで灰色がかった薄雪エリアが出現し、現実の微雪感を演出できます。
- ● Gritty:軽いコントラスト強調効果があります。解像度が高いほど違いが明確になります。
- ● Include Existing Snow:前段のSnowノードの結果を加算できます。Combineノードを使用せずに効率的に統合できます。
- ● Artistic Control / Texture Input:平地マスクやカラーテクスチャの直接挿入に対応しています。ただし一部機能が無効になる可能性があります。
視覚的ディテール調整とテクニック
MeltとFall-offによる自然な積雪遷移
- ● 山頂には濃く、下部にはまばらに雪が分布するように、Fall-offを調整します。
- ● Meltを下げることで、白一色ではない灰色の薄雪ゾーンが追加され、リアリティが向上します。
- ● Grittyで微細な明暗差を強調し、輪郭をはっきりさせることができます。
Flowを使う/使わない判断とColor Erosionの活用
- ● Flowをオフにしてディテールを保ちつつ、Color Erosionで自然なブラーと流れを演出できます。
- ● Diffusion(例:1.0)と Transfer Distance(例:0.01)を調整すると柔らかなぼかしを実現できます。
- ● Blend ModeにMinを使用することで、崖のような暗部に雪が乗らないように調整できます。
地形作成ワークフロー:砂岩丘+雪マスクの組み立て
基本形状の構築
- Voronoi:ベースとなる有機的形状を作成します。
- Edge(Round):単一の山塊へ整形します。
- Rivers:谷筋を導入し、凹みを自然な流路に変換します。
- Thermal Shaper(shape=66, scale=60):地形を膨らませてボリュームを追加します。
- Warp(Blend=Max):岩の凹凸や断層感を強調します。
侵食とサンドストーン処理
- Erosion 2(scale=500, duration=25):荒々しい岩と滑らかな傾斜を共存させます。
- Slope × Sandstone:侵食で失われた細部を補完し、岩質を視覚的に強調します。
- Snow(snow line=0.16, melt=24):深雪ポケットを先に仕込んでおきます。
テクスチャリングとDusting統合
- ● Texturizer + Equalize:地面用SatMapを生成します。中程度のRoughnessを設定します。
- ● Color Erosion:流れ模様や堆積感を強調します。
- ● Dusting:Directionalなし/高Snow Line/Fall-off高/Peak=0.25 を設定します。
- ● Flow=0:ディテールを保持するためにオフにします。Color Erosionでブラーを追加します。
- ● Blend Mode=Min:崖への不要な雪の付着を防止します。
合成とレンダリング
- ● Combine(Mode=Screen):Color Mapへの雪マスクを適用します。
- ● Portalで雪情報抽出 → 再合成:グラフの整理と処理の軽量化を図ります。
- ● LightXで確認:最終的な見た目をチェックし、陰影表現を確認します。
Tips:Dusting活用のポイント
- ● 複数の設定を組み合わせることで、雪の分布をより現実的に演出できます。
- ● Color Erosionとの併用は、Flowの代替として特に効果的です。
- ● SatMapや他の質感ノードと連携させることで、単なる積雪ではなく「鉱物の堆積感」を含んだ地形演出が可能になります。
- ● 特に岩のリッジや断層がはっきりした地形との相性がよく、視覚的インパクトの高い雪マスクを得ることができます。
