はじめに
本記事では、Gaeaの「Seamless」「Repeat」「Bomber」という3つの基本的なノードの役割と使い方をご紹介し、それらを活用した地形を制作する実践的なワークフローも解説いたします。
Seamless・Repeat・Bomberノードの使い方と地形への応用
各ノードの役割と使い方
各ノードの役割と使い方
Seamlessノード:テクスチャを繋ぎ目なくタイル化する前処理
Seamless(シームレス)ノードは、テクスチャや高さマップの端を滑らかにブレンドして、繰り返し配置(タイル)しても継ぎ目が目立たないように調整するためのノードです。主に外部テクスチャやシェイプをRepeatやBomberで使用する前に挟むことで、違和感のないパターン生成が可能になります。
Repeatノード:入力を規則的にタイル配置
Repeat(リピート)ノードは、入力となるテクスチャや地形を指定回数だけ縦横に並べて複製するノードです。たとえば岩肌の模様や砂のパターンなど、広範囲に繰り返したいディテールを敷き詰めたいときに便利です。歪みを加えたい場合は、別途Warpノードを併用して自然な変化を加えます。
Bomberノード:地形上に形状をランダムに散布
Bomber(ボンバー)ノードは、1つのシェイプを地形上に多数ランダムにばら撒くノードです。瓦礫や小石、模様などを自然に表現したいときに有効で、散布数、サイズ、回転角度、Blendモード(Max, Screenなど)を細かく制御することができます。
実践:アイスランド風の山を作成する手順
1. ベース地形の作成
まずはMountainノードで地形のベースを作成します。スタイルは「Basic」、Bulkは「Medium」、高さ(Height)は175程度に設定すると中規模な山地形になります。次にErosion(侵食)ノードを適用して谷や崖面の表情を加えます。DowncuttingやInhibition、Feature Scaleの調整によってリアルな谷の深さや土砂の流れ方を表現できます。
2. ディテール用の分岐を作る
この段階でPortalノードなどを使って処理を2系統に分けます。一方ではRepeatノードを使って岩層を並べ、もう一方ではBomberノードで瓦礫を散布します。このように分岐することで、2種類の異なるディテールを比較したり組み合わせたりしやすくなります。
3A. Repeatノードで岩層ディテールを追加
外部の岩模様テクスチャをFileノードで読み込み、Seamlessで継ぎ目を整えたあと、RepeatでTiles数を設定してタイル化します。タイルが規則的すぎる場合は、Warpノードで少し歪ませると自然な印象になります。その後、Slopeマスクを使って傾斜領域ごとにTransposeノード等で地形に重ね合わせます。
3B. Bomberノードで瓦礫を散布
別の岩や模様テクスチャを同様にSeamlessで整えてから、Bomberノードで瓦礫や小石をランダム分散します。DistributionはRandomまたはPoissonが自然な分布に便利です。Blendモードや最大値モード(MaxやScreen)も調整可能です。完成した散布結果をTransposeノードで元の山地形へ転写します。
4. 二次侵食で統合
タイル模様や散布模様をそのまま適用すると、やや人工的な見た目になることが多いため、Erosionノードを再度適用して全体をなじませます。堆積量や範囲、細部の盛り上がり具合も調整するとより自然な山に見えるようになります。
5. ShaperとSnowfallで仕上げ
Shaperノードで山の輪郭を滑らかに整え、Snowfallノードを使って雪を追加します。雪の積もり具合や範囲はSlopeマスク等で調整すると、急勾配部分も滑り落ち、風積雪の表現もリアルな積雪表現が可能です。
色付けの工程
- SatMapsで全体に色を割り当てます。Gaeaには1400以上のプリセットがあり、地形に合った色合いが簡単に選べます。
- ColorErosionで斜面に沿ったにじみを加え、自然な色の流れを表現します。
- ColorFXを使って別テクスチャをグレースケール化し、Combineで上乗せすれば表面の模様やグランジ表現も追加できます。
- 雪部分にもColorErosionで軽いにじみを加えると、溶けたような印象や雪の陰影も出せます。
まとめ
Seamless・Repeat・Bomberの3つのノードを使いこなすことで、地形に対して精密かつ個性的なディテール表現が可能になります。どれも基本的なノードですが、組み合わせ次第で表現の幅が大きく広がります。今回のチュートリアルを参考に、ぜひGaeaでの地形制作にチャレンジしてみてください。
Seamless・Repeat・Bomberの3つのノードを使いこなすことで、地形に対して精密かつ個性的なディテール表現が可能になります。どれも基本的なノードですが、組み合わせ次第で表現の幅が大きく広がります。今回のチュートリアルを参考に、ぜひGaeaでの地形制作にチャレンジしてみてください。
