Lightmap社からHDR Light Studio 8.2がリリースされました。このリリースには、Preset Auditioning(オーディションモードのプリセット)、Reflection Filter(反射フィルター)、LightPaintの新しい手法、スクリムライトのInfinite(無限)設定、hdrmaps.comからの405個の新しいHDRIマップなどの主要な新機能が含まれています。この実質的な新しいリリースにより、さらに高速なワークフローでクリエイティブなライティングデザインを検討できるようになります。
LightPaint®: Shadow & Shade
LightPaint®の新しい手法:シャドウとシェード
HDR Light Studio 8.2で導入した、新しいライトの配置方法を使用すると、ライトをさらにクリエイティブに制御できるようになります。’Shadow’モードでは、ライトが投影するシャドウをクリックで配置できます。この’Shadow’モードでは、クリックしたサーフェスがライトの陰に入るようにライトを配置します。
SHADOW & SHADE のチュートリアル(英語)はこちら
ライティングデザインの反射
反射フィルターの使用例
新しい反射フィルターを使用すると、ライティングプロセスに新しいクリエイティブな可能性が生まれます。HDRI上の軸を中心に対称的なライティングデザインを簡単に作成できるようになりました。反射方向は垂直でも水平でも問題ありません。反射の輝度とアルファを制御できます。ブレンド制御では、’Wrap’モードの使用時に、軸上で、または2つに分割したHDRIマップの間でソフトな移行ができるようになります。反射フィルターは、製品やパックショットのスタジオライティングを高速化するのに最適です。このフィルターは、フロアにフェイクの反射を作成したり、水の効果を生成したりするなど、クリエイティブな応用ができます。
スクリムライトの無限平面
HDR Light Studio 8 は、3Dソフトウェアで簡単にコントロールでき、リアルタイムで高速にレンダリングできるScrim Lightingを追加しました。
スクリムライトの無限平面設定
HDR Light Studio 8.1で導入されたスクリムライトにより、スタジオライティングの作成に写真的なアプローチが可能になりました。バージョン8.2での新しい’Infinite Plane(無限平面)’設定を使用すると、スクリム/ライトの物理的なエッジの制約を受けずに減衰するスクリムライトによりソフトなライティングエフェクトを実現できます。この設定は、3DマッピングによるHDRIマップ上のスクリムライトで機能します。
オーディションモードのプリセット
オーディションモードの環境、ライト、エレメント
ライティングのプロセスでは、検証を重ねてライティングオプションを視覚的に検討することが重要です。プリセットライブラリパネルで新しいAudition(オーディション)モードを有効にし、プリセットのサムネイル画像にカーソルを合わせると、選択したライトに暫定的なプリセットが即座に適用されます。ライティングを決定した段階で、ダブルクリックすればプリセットを使用できます。オーディションモードは大幅に時間を節約できる機能で、HDRIマップやライト、カラー、アルファなどほとんどのプリセットに対応しています。
コンテンツのオーディション中にM、V、Aのボタンを使用
プリセットライブラリパネルの新しいM、V、Aのボタンにより、コンテンツやエレメントのプリセットを、選択したライトのメイン(M)、バリューブレンド(V)、アルファ乗算(A)コンテンツのどこに適用するかを指示できます。
改善された新しいプリセット
プリセットタブ
プリセットライブラリパネルにOrganizational(整理)タブが追加されました。プリセットには常に豊富なライティングコンテンツが含まれていますが、見つけにくいという問題がありました。今回、プリセットへのアクセスが改善され、自動的にプリセットがタブにまとめられるようになりました。例えば、2:1の比率の画像やキャンバスいっぱいのライトは、フィルタリングされてEnvironment(環境)タブに表示されます。
ライトの外観を他のライトに適用
プリセットのサムネイルをライトリストのライト上にドロップするか、プリセットのサムネイルから右クリックメニューを使用して、ライトプリセットのすべての外観設定を他のライトに適用できるようになりました。
プリセットのサムネイル:標準、大、特大
プリセットのサムネイルのサイズ変更:標準(旧バージョンのサイズ)、大、特大からサイズを選択できます。
右クリックメニューから’Add to Hidden.(非表示に追加)’を選択すると、表示したくないプリセットを非表示にできます。新しいボタンにより、非表示のプリセットを表示したり、隠したりできます。
新しいプリセット: hdrmaps.comのHDRIなど
hdrmaps.comからの405個のHDRIマップ
HDR Light Studio 8.2では、hdrmaps.comから405個の新しいHDRIマップが追加されました。これらのマップは2048×1024ピクセルで提供されます。この解像度は多数のライティング作業に適しています。より高い解像度が必要な場合は、hdrmaps.comから入手できます。
新しいHDRIマップの他、以下に挙げる多数の便利なプリセットが追加されました。
- リグ:25個のスタジオライティングリグ、コンポジットを表示するリグ、新しい反射フィルター。
- ライト:カラーライト、コンポジットライトの例、無限スクリムライトの例、新しいウィンドウゴボ。
- コンテンツ:ポリゴンコンテンツ。
- エレメント:カラーランプ – ランプの両端に色相の組み合わせを持つカラーランプの範囲。
- エレメント:カラー – 色温度およびケルビンを含むカラーパレット。
- エフェクト:ブレンドモードの動作を表示する新しいエフェクトライト。
その他の新機能
ライトハンドルのスライド
ライトハンドル
新しいLightPaintモードで、ライトハンドルの位置を調整できるようになりました。レンダービューまたはキャンバスでドラッグすると、ライトの周りのハンドルの位置がスライドします。
グラディエントのリセット
グラディエントラベルテキストをダブルクリックすると、グラディエントがデフォルト設定にリセットされます。
OCIO LUTの変更
インターフェースを整理するため、プリセットやキャンバス、ライトプレビューパネルからLUTドロップダウンメニューを削除しました。これらのビューに適用されているLUTは、アプリケーションのプリファレンスパネルで設定された’OCIO Default View’のLUTです。
HDR Light Studioのレンダービュー内へのレンダリングのストリーミングをサポートする3DソフトウェアでHDR Light Studioを使用する場合、レンダービューでは、入力画像にLUTがすでに適用されているかどうかを確認する必要があります。この新しい自動LUT設定により、Unreal、Rhino、Omniverse、Octane StandaloneでHDR Light Studioを使用する場合、OCIOをNone(なし)に設定して、レンダリング時にLUTが二重に適用されるのを防ぐ必要がなくなりました。
Open ColorIO、OpenImageIO、Open EXR
次のようにバージョンをそれぞれ更新しました:Open ColorIO (2.0.2 → 2.3.0)、OpenImageIO (2.2.19 → 2.4.15.0)、Open EXR (3.1.3 → 3.2.0)
ライトルック
便利な右クリックメニューをライトルックパネルで使用できるようになったため、ライトルックボタンの機能を手元で操作できます。
起動時間
HDR Light Studio 8.2の起動時間が以前のバージョンより著しく速くなりました。
コネクションプラグインのアップデート
HDR Light Studio 8.2と互換性を持つように、ほとんどのプラグインをアップデートしました。
Cinema 4D
アップデートされたプラグインは、(以前の変更は互換性を破るものであった)Cinema 4D 2024.3に対応しました。
Cinema 4Dのネイティブレンダラーのサポートが復活しました。
リリースノート
リリースノートの完全版はHDR Light Studioのドキュメントを参照してください。
HDR Light Studio 8.2 – 互換性
システム要件:
Windows: 10、11
Mac OS: 11.4 (Big Sur)以降
Linux: Centos 7.9および互換性のあるディストリビューション
HDR Light Studioの各プラグインの互換性と機能に関する詳細は、互換チャートを参照してください。
HDR Light Studio 8.2 – 入手方法
HDR Light Studioのサブスクリプションまたはメンテナンスが有効なお客様は、新しいHDR Light Studio 8.2 リリースのダウンロードおよびインストールを行っていただけます。
最新のビルドをダウンロードするには、こちらからアカウントにログインし、ダウンロードエリアにアクセスしてください。
HDR Light Studio について
HDR Light Studioは、3Dモデルを高速且つ正確に照明する方法を提供します。照明デザインは、あらゆるレンダラーで使用することができる高解像画像、ハイダイナミックレンジとして保存されます。 3DシーンをHDR Light Studioに読み込んで、プリセットライトをレンダービュー上に「ドラッグアンドドロップ」してください。HDRIマップとレンダリングビューが、正確 な位置にある新しいライトを即座に更新します。試行錯誤したり、どこにライトを当てるか推測する必要はもうありません。
HDR Light Studio のデモンストレーションムービー
基本的な操作方法の説明からデモ、Q & A まで、大変分かりやすい内容となっておりますのでぜひご覧ください。