HDR Light Studio の最新機能「Lumi‑Curve」はもうご体験されましたか?
HDR Light Studio に LightPainting Lumi‑Curve Points 機能を導入しようとした当初、私たちには1つの理想がありました。それは、3Dモデルの上でカーソルをクリックするだけで、思い描いた通りに光のカーブを描けるというものです。
このアイデアは非常に直感的でシンプル、さらにどこか魔法のような理想的な解決策に思えました。
しかし、現実の世界、つまり光の物理法則は、いつものように私たちに別の道を示してくれました。
「ポイント、クリック、そして完璧なライティング」。このシンプルなコンセプトは、多くの人を魅了し、期待を寄せられるものでした。私たちもまた、車のような複雑な表面にも簡単に Lumi‑Curve を描ける未来を想像していました。
しかし、すぐに気づいたのです。これらの表面は一筋縄ではいかない、非常に複雑で手強い存在だということに。
例えば、車のボディワークを思い浮かべてください。一見すると滑らかで流れるような美しい曲面です。しかし、実際にはその表面は複雑な数学的迷宮です。複合カーブが入り組み、微妙な方向転換やねじれた法線ベクトルが交差しています。
車体の側面に優雅な光のカーブを描こうとしてクリックしても、ジオメトリーが予想外の反応を示すことがあります。
想像した通りの滑らかでコントロールされた反射が現れるどころか、分断され、歪み、全く予期しない方向に向かってしまうこともあるのです。
しかし、これはテクノロジーの失敗ではありません。むしろ、複雑な3D形状に光を当てる上で避けることのできない本質的な挑戦なのです。

LightPaint を3回クリックした後の Lumi‑Curve
この発見は、私たちをまったく新しい哲学へと導きました。それは、「ワンクリックですべてが解決する魔法の LightPainting」を約束するのではなく、リアルタイムでフィードバックを得ながら調整を繰り返せる、より強力で実用的なライティングツールを開発するというものです。
私たちが目指した新しいアプローチでは、LightPainting Curve Points のワークフローが「即時の完成」ではなく、「賢いスタート地点」を提供するものとなりました。具体的には、3Dモデル上でカーブポイントをクリックして配置する段階では、それは完成形ではなく、ーあなたの意図と形状という現実との関係を理解した“基盤”ーを作るプロセスにすぎません。
このワークフローを進めるにつれて、ある真実が明らかになります。まず Lumi‑Curve ライトの位置を設定し、カーブが描ける最大範囲を決めます。そして LightPaint ツールを使い、カーブを描きたい場所をクリックしていきます。その時に訪れるのが、ー「頭の中で思い描いていたカーブが、実際の形状とは必ずしも一致しない」ーという気づきです。
この新しい哲学は、ライトを「魔法のように使う」だけではなく、形状や物理の現実と向き合いながら、理想の光を作り出すための「柔軟で実用的なツール」を提供することに重きを置いています。

追加手動調整後の Lumi‑Curve
Lumi‑Curve を使うということは、アーティストとジオメトリー(形状)との対話そのものです。
LightPainting は、ジオメトリーを意識した「出発点」を提供します。そして、編集ツールを使いながら、物理的に可能な範囲内で、創造的なビジョンに近づけるまで繰り返し調整できます。
これこそが、あるべきライティングの形です。複雑な3D形状に「抵抗する」のではなく、「協働する」ことで、理想的なライティングを実現します。
Lumi‑Curve は、このプロセスでの頼れるパートナーとなり、複雑な形状にも柔軟に対応しながら、あなたが思い描く通りに光をコントロールする力をもたらします。
HDR Light Studio 9に Lumi‑Curve 搭載!
Lumi‑Curve を搭載した HDR Light Studio 9 は、間もなくリリース予定です。
詳細情報は、ニュースメールや公式サイトで随時お知らせしますので、ぜひご注目ください!