IlluGen
ゲーム VFX アーティストの制作を強力に支援する新ツール

ノードの基本と入力

ノードの基本と入力
IlluGenの方向性ブラーノードは入力テクスチャとUVマップの両方を必要とし、両方が揃って初めて正しく機能します。UVマップの位置や強度、種類によってブラー効果の方向や強さが変化します。たとえば、放射状UV(UV radial)を接続すると、UVマップの形状に沿った特徴的なブラー結果が得られます。

UVマップによる変形効果

UVマップによる変形効果
UVノイズ(UV noise)など異なるUVマップを接続すると、独特な結果が得られます。テクスチャとUVの組み合わせ次第で、幻想的なグリッチや流れるようなディストーション効果が実現できます。こうした活用は3DCGやゲームグラフィックスにおけるクリエイティブな演出に役立ちます。

クロマシフト機能

クロマシフト機能
方向性ブラーノードには「Chroma Shift(クロマシフト)」パラメータがあり、別のUV入力に基づいて画像のRGBチャンネルを個別にシフトできます。例えば同じUV radialを用いると、UVのマップ形状に応じて各チャンネルがずれ、クロマティックディストーション(色収差)効果が得られます。この機能により、色収差的な演出を簡単に実現できます。一方で、グレースケール入力の場合はクロマシフトが有効にならず、カラー入力でのみ色ずれ効果が適用される点に注意が必要です。

標準UV(Identity)の例

標準UV(Identity)の例
UV identity(標準UV)を使用した例では、プレビュー上にタイル状のUVマップが表示されます。この状態で方向性ブラーノードを適用すると、縦方向のライン状のブラー効果が得られます。さらにタイムラインを再生すると、Strength(強度)が徐々に変化し、UVノイズで歪められた円形のシェイプが時間とともに変形する様子が確認できます。 得られるパターンは、エーテルのような幻想的な雰囲気を生み出します。このパターンはUVノイズのスケールによって大きく見た目が変わり、方向性ブラーノードはこのフローマップに従って入力画像をワープさせます。これにより、動的で有機的なディストーション効果を得ることができます。

極座標UV(Polar)の例

極座標UV(Polar)の例
UV polar(極座標UV)を使用すると、小さな円形のシェイプが独特の振動パターンになります。タイムラインを前後に動かすと、オシレーター効果が有効になっているのがわかります。極座標UVは扱いが難しい一方で、このように小さな円形を歪めると特徴的な効果が得られます。

回転UV(Rotational)の例

回転UV(Rotational)の例
UV rotational(回転UV)を用いると、まるで小さなポイントライト(ピンライト)のような発光パターンが得られます。これはユニークなグロー効果を作る手法で、シェイプのIntensity Remapを手動で調整するよりも、アニメーション化されたバージョンを簡単に作成できます。シェイプの位置を変更すると、非常に奇妙で面白い効果が多数得られるのも特徴です。

放射状UV(Radial)の例

放射状UV(Radial)の例
最も汎用的なのはUV radial(放射状UV)で、これと方向性ブラーノードを組み合わせることで、レンズフレアやライト表現、ゴッドレイ、魔法のような演出など、さまざまなグロー効果を作り出せます。UV radialを使用したアニメーション例では、流れるような光の軌跡が確認できます。放射状のUVマップに従ってブラーをかけることで、ダイナミックな放射状の光を表現できる点が特徴です。

単一方向UV(Directional)の例

単一方向UV(Directional)の例
UV directional(単一方向UV)では、任意の一方向にブラーをかけることが可能です。Direction設定ではForward(前方)、Backward(後方)、Bidirectional(双方向)から選択でき、Sample DistributionパラメータとDistribution Rampを使って方向ライン上のサンプル分布を制御します。サンプルの分布を変えることでブラーの見た目を自由に変化させられ、複数の分布タイプを切り替えて効果を確認するのも興味深いポイントです。

実践例: 地面衝撃エフェクト

方向性ブラーノードの応用例:地面衝撃エフェクト
方向性ブラーノードを活用した具体的な応用例に、地面衝撃エフェクトがあります。代表的な手順は以下の通りです:
  • UVノイズを生成し、小さな円形のシェイプに適用して歪ませる。
  • Polar Scatterノードを用いて、複数の円形シェイプをランダムに散布する。
  • UV radialノードのChaosモードを利用し、筋状のノイズパターンを生成する。
  • 生成したUVマップをDirectional Blurに入力し、Distance(距離)パラメータでブラーの伸び具合を調整する。
この手順により、地面に放射状に広がる衝撃波のような表現が得られます。
UV radialノードのChaosモードではChaos Multiplier(カオス倍率)を調整することで、より強いストリークやランダムなノイズパターンを生成しやすくなります。
さらに、Distance Modulation(距離の変調)機能を利用することも可能です。例えば追加のノイズを使い、そのスケールを調整すると、ブラーがかかる位置がノイズに応じて変化します。オクターブ数を減らしてノイズのバリエーションを変えることで、さらに多彩なブラー表現が得られます。

カラフルなクロマティックグロー

カラフルなクロマティックグロー
Polar ScatterとDirectional Blurをカラー画像で使用し、クロマティックディストーションを加える例もあります。手順としては、まずUV radialを使ってLevelsで調整し、その後にGlowを適用します。注意点として、先にグレースケールでGlowを作成してからDirectional Blurをかけると、色の拾われ方が思わしくない場合があります。クロマティック系エフェクトでは、Directional Blurの後にGlowを適用する方が色彩がより鮮やかに保持され、元の色がきれいに発光します。
具体的には、入力を分離せずにカラー情報を維持したままGlowをかけ、その後Directional Blurでチャンネルをずらします。この方法では各色成分が直接発光するため、色域が広く鮮やかに見えます。従来はグレースケールのGlowをかけてからクロマティック歪みを付加していましたが、その方法ではGlow自体の色が歪むことがありました。本手法ではその問題を避け、既存の色を活かして滑らかに輝かせることができます。

最小ブラーと稲妻エフェクト

最小ブラーと稲妻エフェクト
もう一つ面白い手法として、UVノイズとUV radialを組み合わせ、Directional BlurのBlur Modeを「Minimum(最小)」に設定すると、稲妻のような鋭いパターンが得られます。さらにBidirectionalかつSymmetrical(対称)にすると、形状が両方向に対称に溶解・減衰するような効果を得ることができます。このテクニックは実験の中で発見されたもので、非常にユニークなビジュアル表現を生み出します。

渦巻きパターンの生成

渦巻きパターンの生成
UV rotational(回転UV)を用いると、渦巻き状のパターンを生成できます。これはVFXで頻繁に使われる手法で、渦状のエネルギーやポータルエフェクトなどに適しています。Directional Blurノードを活用すれば、このようなパターンも容易に作成できるので、さまざまな設定を試してみてください。

まとめ

まとめ
IlluGenの方向性のブラーノードは通常のブラーよりも遥かに強力です。ブラーの方向を自在に制御できるため、クロマシフトや色収差を含む複雑なエフェクトも簡単に実現できます。複数のTransformノードでRGBチャンネルを分けて操作する手間が省けるため、作業効率と表現の幅が大きく向上します。 本記事で紹介したように、Identity、Radial、Polar、Rotational、Directionalなど多彩なUVタイプを試してみてください。ノイズからDerivativeを生成するような応用も含め、UVの生成方法は多岐にわたります。Directional Blurノード一つで、レンズフレア、衝撃波、魔法エフェクト、渦巻きパターンなどさまざまなクリエイティブ表現が可能です。少し触ってみるだけで意外な効果が見つかるでしょう。
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IlluGen は、リアルタイム VFX とテックアート用アセット生成に特化して設計された唯一のツールです。 ノードベースのプロシージャルツールであり、2D アセットと 3D アセットの両方を生成できます。
タイル状ノイズ、ノーマルマップ、フローマップ、3D FX メッシュ、コースティクス、マスク、ディストーションなどのアセットを簡単に生成できます。
アニメーションタイムラインの全機能、フリップブックのパッキング/アンパッキング、アルファチャンネルの簡単操作などを備えた IlluGen は、リアルタイム VFX アーティストにとって次世代の必携ツールです。

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