RenderMan 24 リリース情報 & FAQ
RenderMan 24 リリース情報
・RenderMan 24 FAQ(当ページ)

RenderMan 24 FAQ

RenderMan バージョン24は、RenderMan XPU™初期段階のリリースによる新しいインタラクティブレンダリング機能のほか、RenderMan Stylized Looksや新しいLayered Materials (Lama) システムといった新しい画像作成機能を提供します。また、カラーマネジメント機能やライブ統計などの機能が含まれます。RenderMan 24は、アーティストのクリエイティブな選択肢を増やすことで、クリエイティブの可能性のパレットを広げ、また、より多くのインタラクティブ性を提供するために作成されました。

RenderMan XPU™ は、RenderMan RIS と共存する新しいCPU + GPU ハイブリッドレンダラーです。CPUとGPUを両方一緒に使用して、より高速なレンダリングを提供します。また RenderMan XPU™は、より優れたインタラクティブ性も提供します。アーティストは RenderMan XPU™ を使ってより高速なイテレーションと結果の確認ができるようになるので、その結果として可能性を追求できることにより創造性が増すばかりでなく、レンダリングの完了を長時間待たなくて済むので生産性がより向上します。RenderMan XPU™ は RenderMan RISと同じではありませんが、XPUでレンダリングできる画像は、RISでレンダリングできるものを意味します。

RenderMan XPU™は非商用版RenderManには含まれていないので、XPUをお試しいただくにはRenderMan Sales宛に正式な評価のご要望をいただく必要がございます。XPUへの関心が強く、各評価のリクエストは個別に考慮されますので、まずは大規模スタジオを優先いたします。多くの評価のリクエストが見込まれますので、すべてのリクエストを処理するまでお待たせいたしますが、ご了承いただけますようお願い申し上げます。

RenderMan XPU™は汎用レンダラーですが、RenderMan RISのすべての機能をまだ装備しているわけではありません。今回のRenderMan XPU™ の初バージョンは、ルック開発に最適です。RenderMan XPU™ でのレンダリングは、RenderMan RISから得たレンダリング結果を予測します。RenderMan XPU™のインタラクティブな可能性は、パイプラインの複数の領域でアーティストの手助けをします。RenderMan ドキュメンテーションでXPU のすべての機能および制限のリストをご確認ください。

XPU は、RISと同様にカスタムOSLパターンに対応しています。実際、RenderMan 24に同梱されるパターンの大半はC++からOSLに変換したものなので、同じコードが RIS と XPU の両方で動作します。XPUは現時点ではOSLパターン以外のカスタマイズには対応していません。RenderManチームはXPUの他の機能とAPIsをどのように露出させるか評価を行っているところですので、将来的にはRISと同様にカスタマイズ可能になります。RenderManチームに最も近いパートナー数社がこのプロセスに協力してくれるでしょう。

XPUの GPU側は、Linux およびWindows上ではNVIDIAグラフィックカードのみをサポートします。Maxwellクラス以上のカードを所有していて、最新のドライバーを使用している必要があります。GPUはCPUよりもメモリの制約が多いので、選択の余地があるなら、可能な限り多くのメモリを搭載するカードにお金を投資することをお勧めします。もしお持ちのグラフィックカードのメモリ機能を超えるシーンのレンダリングが必要な場合は、いつでもXPUのCPU側の使用に逆戻りさせることができます。

RenderMan Stylized Looks は、RenderManで知られているフォトレアリズムを超えたルックを作成するためのフレームワークです。RenderManは、今までもこれからも、アートディレクションに関係なく、さまざまなストーリーを伝えるためのパワーをアーティストに提供するため、レンダリングの柔軟性が重要であるという概念の元に構築されたレンダラーであり続けます。RenderMan Stylized Looks は、アニメーション可能なペンやインクのイラストレーションの作成や、トゥーンシェーディングの作成など、ノンフォトリアルなレンダリングをアーティストがより簡単に作成することを可能にします。Digital Content Creationアプリケーションへの各RenderManの統合は、Stylized Looksを作成するのに必要なシェーディングやレンダリング設定コントロールを簡単に追加する機能を提供します。

アーティストは各Stylized Lookをカスタマイズすることができます。例えば、ペンおよびインクのイラストレーションでは、ラインハッチング向けの独自のテクスチャを提供し、他のアーティストのスタイル化されたレンダリングとは異なるスタイルをご自身のレンダリングに与えることができます。開発者の場合は、Stylized Looksを拡張することはできません。RenderMan Stylized Looksは、特定の外観を作成するために連携して機能する、パッケージ化された一連のテクノロジーを提供します。

もともとLamaは、Industrial Light & Magic社によって開発された、「Layered Materials」の略で、現在はRenderManに搭載されています。ILMは2018年からLamaをプロダクションで使用してきました。Lamaはアーティスト向けの最上位レベルの構築ブロックを使用して、さまざまなマテリアルプロパティを一緒にレイヤー化するための堅牢なフレームワークを提供します。例えば、Lamaは、オブジェクト用のマテリアルを作成してその上に埃のレイヤーを追加するのを簡素化します。

LamaはMaterialXの公式な一部であり、MaterialXの事前定義されたサブネットワークの最上位レベルの抽象化を形式化することを目的としており、一般的な使用に便利で、アーティストにとっても使いやすいものとなっています。これらは他のMaterialXグラフと同じように活用できますが、レンダラーはネイティブのMaterialXリファレンス実装に準拠している限り、Lamaノードをモノリシックに実装することもできます。MaterialX Lamaノードネットワークの定義は、MaterialXリポジトリの一部として公開され、「グラウンドトゥルース」実装とみなされます。

アーティストの場合、Lamaの異なる構築ブロックを使ってあらゆるコンビネーションで独自のマテリアルを構築することができます。現時点では、追加のカスタムLamaノードを作成する開発者APIはありません。購入後すぐに使用できる機能セットのみが使用可能です。

はい。RenderManは、すぐに使用できるレンダリングツールとアーティストツールの完全セットを提供しますが、RenderManコア周辺に独自のルックや独自のパイプラインを開発したいエキスパートによって大幅にカスタマイズできる伝統的な機能も保持しています。RISアーキテクチャの基本的な側面は、コンポーネントまたはレンダラーサブシステム全体を、BxDFs、Patters、Projections、Integrators、LightPathExpressionsなどのカスタムプラグインまたはスクリプト可能な要素に置き換える機能です。粒子、髪の毛、または木の葉のプログラミングによる生成など、カスタムジオメトリックプロシージャリズムの従来の側面もすべてサポートされます。

いいえ。RenderManはすべての人向けの1つの標準バージョンでのみ存在し、Pixar社がRenderManのために開発するテクノロジーは、RenderManチームの製品化の努力を通じて常にRenderManコミュニティ全体に提供されてきました。これは、個々のスタジオが独自のシェーダ、プラグイン、およびその他のパイプラインツールを介してレンダラーをカスタマイズできるというRenderManの有名な基本的な柔軟性です。

製品に関する質問

Pixar社は、オートデスク社のMaya®、Foundry社のKATANA®、SideFX社の Houdini®、そしてBlender®用のアーティストフレンドリーで高度に統合されたRenderMan インターフェースプラグインを提供します。各新リリースに対するバージョンの互換性に関する詳細は、renderman.pixar.com を参照してください。

弊社はPixar社、ILM、および商用顧客スタジオの弊社コミュニティでの制作に最も重要なアプリケーションを追跡し、他のデジタルコンテンツ作成アプリケーション内での追加の高度な統合を頻繁に評価します。Cinema4Dや3dsMaxといったアプリケーションの能力と機能は理解しており、それらに強い関心を持っています。弊社は、商業上の優先事項が許す限り、これらのアプリケーションや、場合によってはサードパーティーを介した他のアプリケーションの統合を追求していきます。rendermansales@pixar.com(英語) までご連絡いただけましたら、お客様の要件に最適なソリューションを見つけるお手伝いをいたします。

はい。RenderManをご購入いただくと、同数のTractorライセンスが含まれます。Tractor は、1ライセンス[初年度メンテナンス含む]あたり17,050円(税込)で単品でもご購入いただけます。

価格に関するFAQ

RenderManは1ライセンス[初年度メンテナンス含む] あたり111,650円(税込)で、アーティストインターフェースまたはバッチレンダラーへのアクセスを提供します。50ライセンス以上、特に250ライセンス以上の場合は、お得なスタジオ価格および支払いパッケージもご利用いただけます。従量制のクラウドライセンスは、さまざまなクラウドコンピューティングベンダー経由で別途ご購入いただけます。レンタルや特別な短期バースト容量オプションもご利用いただけます。

はい、商用ユーザー向けのRenderManライセンスのメンテナンスは1本あたり33,000円(税込)で、フルサポートおよび契約の更新可能な1年間を通じたアップグレードが含まれます。

いくつかのライセンシングモデルがご利用可能です。従来の永久ライセンスは、多くのスタジオが引き続き選択するものです。これらのライセンスは、前払いの購入価格で、購入時に利用可能なバージョンのRenderManを自由な期間使いいただけます。これらの初期ライセンスは次年度に年間メンテナンスをご購入いただくことによって、新しい次期メジャーバージョンが入手可能になった際には即時アップグレード可能です。ライセンスレンタルは、現行リリースへの短期間のアクセスを提供し、満了後にはライセンスが切れます。多数のライセンスを必要とするスタジオの場合、魅力的な割引スケジュールで、年次請求で期間限定のバンドルでRenderManをご入手いただけます。

すべての商用RenderManライセンスはフローティングとして使用可能で、お客様のネットワーク上のどこでもRenderManを実装できる柔軟性を提供します。とはいえ、必要であればノードロックライセンスも提供可能です。

非商用ライセンスのFAQ

無償のRenderMan非商用バージョンは既にバージョン24へ更新済ですので、ダウンロードしてご利用いただけます。

いいえ。非商用RenderManのダウンロードは、研究コミュニティに最新の情報を提供し、コミュニティサポートを簡素化し、ツール開発者が一貫したターゲットプラットフォームを使用できるようにするため、入手可能な最新バージョンに更新されます。

RenderMan のインストール方法はこちらをご覧ください。

シンプルに、利益を生み出す直接的な商業利用を含まないRenderManのあらゆる利用です。非商用利用事例は、評価、個人学習および習熟、学生の使用、あらゆる種類の実験、調査、そしてRenderManを補完するツールおよびプラグインの開発が含まれます。

いいえ、ご使用いただけません。RenderMan XPU™は、商用ライセンスユーザーまたは教育機関向けライセンスユーザーのみご利用いただけます。

いいえ、ご使用いただけません。RenderMan Stylized Looksは、商用ライセンスユーザーまたは教育機関向けライセンスユーザーのみご利用いただけます。

はい、可能です。RenderManに搭載されたIndustrial Light and Magic社による新しいレイヤー化マテリアルフレームワークであるLamaは、RenderManの商用および非商用ユーザー双方にご利用いただけます。

いいえ、制限されません。RenderManは1つだけであり、無償の非商用RenderManは、XPUおよびStylized Lookへのアクセスを除いて、商用バージョンと全く同一です。それ以外のウォーターマークや時間制限はありません。インストール時にEULAに同意すると、ソフトウェアは非商用目的でのみ使用しなければなりません。非商用RenderManへのテクニカルサポートは、アクティブで高度なテクニカルコミュニティによって提供されます。

一般的には、適していません。非商用RenderManは、個人使用を目的としています。教室での導入やその他教育的な使用の場合は、rendermansales@pixar.comまでご連絡いただき、フローティングライセンスの付与などその他オプションの適用についてご相談ください。教育機関は、ライセンスを通じてRenderMan XPU™および RenderMan Stylized Looksへのアクセスが提供されます。

RenderManの将来

はい、可能です。弊社はXPUのRenderMan 24バージョンはルック開発に適していると感じますが、XPUの機能制限が問題の原因にならない限り、ご希望の方法でご使用いただけます。例えば、もしAOVsを必要とする使用事例の場合は、XPUはまだ準備できていません。しかし、他のタイプのレンダリングの場合は、XPUをご使用いただける状態です。例えば、XPUを使用してクオリティコントロールレンダリングを作成し、ご自身のアニメーションキャッシュまたはシミュレーションを検証することができます。

Disney Studio組織内には、Pixar、Disney feature Animation、Industrial Light & Magic (ILM)、チューリッヒ拠点のDisney Researchなどを含む数多くの研究イニシアチブがあります。これらのグループは別個なので、レンダリングや制作の問題解決に対してそれぞれ異なるアプローチで追求しています。どんな他のレンダリングR&Dの努力も、Disney組織で具体化されたリソースおよび経験の深さ、およびアニメーションおよびフィルムレンダリングの最先端を定義する数十年にわたる経験と比較することはできません。RenderManは、このR&Dの取り組みから派生したツールおよびテクニックを通してパブリックドメインに導くもので、最近ではILMが献身したLamaをRenderManに搭載しました。Pixarおよびその他のDisneyグループは、世界中の商業および技術研究の場において、彼らの重要な貢献について定期的に発表しています。

RenderManについて

RenderManは、アカデミー賞の受賞実績のあるレンダリングソリューションで、長編映画アニメーション、VFXの他、あらゆる種類のプロジェクト向けにすばらしい画像を作成することに抜きんでています。RenderManは、新しい創造的および技術的な課題に対処するために、また、コンピュータテクノロジーにおける最新の進歩を利用するために日々進化を遂げています。

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Pixar Animation Studiosについて

The Walt Disney Companyの完全所有子会社であるPixar Animation Studiosは、アカデミー賞®の受賞実績のある映画スタジオであり、コンピュータアニメーションの分野での技術、創造、制作能力は世界的に有名です。『トイ・ストーリー』、『モンスターズ・インク』、『カーズ』、『Mr. インクレディブル』、『レミーのおいしいレストラン』、『ウォーリー』、『カールじいさんの空飛ぶ家』、『トイ・ストーリー3』、『メリダとおそろしの森』、『インサイド・ヘッド』、『リメンバー・ミー』など、大成功を収め、いつの時代も愛されているアニメーション映画が北カリフォルニアのスタジオで製作されています。これまで40部門ものアカデミー賞を獲得し、世界の興行収入は140億ドルを超えています。Pixar社の第23作目の長編映画『ソウルフル・ワールド』は、現在、ディズニー公式動画配信サービス「Disney+」にて配信中です。Pixar社の最新作『あの夏のルカ』は、2021年6月18日にリリース予定です。